はじめに:「足が悪いからこそ、靴選びが大事」──でも何を選べばいいの?
「足がすぐ疲れる」
「外反母趾や偏平足がつらい」
「靴を履くと膝や腰まで痛くなる」
こうした悩みを持つ方にとって、靴選びは“運命を左右する”くらい大事な選択肢です。
ですが、店頭でよく言われる「柔らかい靴がいいですよ」「幅広が楽ですよ」だけで本当に大丈夫でしょうか?
今回は、足の構造の要である**「距骨(きょこつ)」**に注目しながら、
足に悩みを抱える人が本当に選ぶべき靴について解説します。
距骨とは?──足の“軸”を支える超重要パーツ
距骨は、足首と踵の中間にある小さな骨で、
- 体重を真下に受け止める
- 前後・内外のバランスを取る
- 足裏・膝・骨盤すべてに影響を与える
という極めて重要な役割を担っています。
この距骨がズレたり傾いたりすると、
- 踵が内側に倒れたり(過回内)
- 足裏がねじれて体全体が崩れる
- 靴との相性が悪くなりトラブルが増える
といった、慢性的な足の不調につながるのです。
足が悪い人が選ぶべき靴の条件|距骨から考える5つのポイント
① 踵(ヒールカウンター)がしっかりしている靴
→ 距骨の安定には「踵の骨の支え」が必須。
グニャっと曲がるようなスニーカーは避けましょう。
② 土踏まずを支えるアーチ構造(インソール)付き
→ 距骨がズレる原因の一つが「アーチの崩れ」。
市販でもアーチサポート付きのインソールがあると◎。
③ 足幅は“ちょうどよく”フィットするものを
→ 幅広=良い、ではありません。
「横ブレしない=距骨が安定する」ため、足に合うフィット感を選びましょう。
④ つま先に適度な反り返り(トゥスプリング)がある
→ 距骨は歩行時、つま先の蹴り出しと連動しています。
返りの良い靴=歩行リズムが整いやすく、疲労軽減にも。
⑤ ヒールの高さは「2〜3cm」までが理想
→ 距骨はヒールが高すぎると前方へ押し出されて不安定になります。
ペタンコすぎても衝撃がダイレクトに来るので、少し高さがある方がむしろ安定的。
おすすめブランド・タイプ(参考)
タイプ | 例・特徴 |
---|---|
歩きやすいスニーカー | アシックス、ニューバランス(900番台以上)、HOKAなど。踵サポートが強い。 |
オフィス靴 | アーチフィット付きのパンプス(RANDA、fitfit など) |
室内履き | アーチ補正入りスリッパ、距骨サポートインソール入りルームシューズ |
注意:「良い靴」でも“履き方”が悪ければ意味がない
- かかとを踏んで履く
- 靴紐を緩めたまま
- サイズ選びを曖昧にしている
これらはすべて、距骨のズレを助長する履き方です。
良い靴を履くなら、「履き方・締め方・立ち方」まで含めて見直しましょう。
まとめ:距骨を守る=体全体のバランスが整う
足のトラブルに悩む人ほど、「何を履くか」が未来の歩き方を決めます。
「足が悪いから、どうにか靴で楽にしたい」
ではなく、
「足の軸(距骨)を整えるために、何を履くべきか」
この視点に変えるだけで、
- 疲れにくくなる
- 姿勢が変わる
- 痛みが減る
そんな変化がはじまります