
最近、こんな言葉を耳にすることが増えました。
「今どきの若い人は…」
「昔はもっとガマンしてた」
「仕事は見て盗めが当たり前だった」
これはある意味、「昭和的価値観」が色濃く残っている証拠です。
しかし、2020年代の日本社会では、その価値観がかえって“壁”や“分断”を生んでいる場面が増えてきています。
もしかするとあなたの周囲にも、こうした“ギャップ”に悩んでいる人はいませんか?
昭和の価値観とは、どんなものだったか?
昭和の時代(特に高度経済成長〜バブル期)には、次のような価値観が社会全体に強く根づいていました。
- 努力・根性・長時間労働=美徳
- 年功序列・終身雇用が当たり前
- 上司・年長者には絶対服従
- 家庭や個人よりも“会社”や“公”が優先
もちろん、戦後の混乱を乗り越えた世代が日本を豊かにしてきた背景には、この価値観が大きな役割を果たしました。
でも時代が変わり、今この価値観が若い世代との間に深い“隔たり”を生んでしまっているのです。
平成〜令和を生きる若者たちの価値観
一方で、今の10代〜30代が大切にしているのはこんな考え方です。
- 効率・成果主義 → 頑張ったかより「結果・評価」
- プライベートの重視 → 仕事だけが人生じゃない
- 自由と選択の尊重 → 強制されることへの拒否感
- 心理的安全性 → 怒鳴られる環境では力を発揮できない
つまり、「ガマンして続けることが美徳」ではなく、
「健やかに働き、自分らしく生きる」ことを大切にする時代なのです。
なぜ“隔たり”になってしまうのか?
例えば、上司が「昔はこうだった」と語ると、
部下は「それって今ではパワハラでは…?」と違和感を覚える。
親が「手に職をつけろ」と言えば、
子どもは「副業や転職の時代なのに?」と反発する。
このように、「常識」の基準が世代ごとにズレているため、
そのまま価値観を押し付け合うと、職場や家庭に摩擦が生まれてしまいます。
昭和を否定するのではなく、“変化”に気づこう
誤解してはいけないのは、「昭和が悪い」ということではありません。
むしろ、その時代を支えた価値観には学ぶべきことも多くあります。
でも、時代が変わった今、「そのまま通用するとは限らない」と気づくことが大切です。
過去の成功体験に固執するのではなく、
今の時代の空気や人の価値観に耳を傾けることが、
世代間の信頼や協力を築く第一歩になるはずです。
まとめ:過去と未来を“つなぐ”意識を持とう
私たちは今、「昭和的な常識」と「令和的な価値観」のちょうど狭間にいます。
その“ズレ”を否定するのではなく、「橋渡し」する意識が必要なのです。
– 部下に考えを伝える前に、「今の価値観ではどう受け取られるか?」を想像してみる
– 親世代と話すときは、「時代が変わったからこその選択」だと丁寧に説明してみる
それだけでも、隔たりはぐっと小さくなります。
時代は変わる。価値観も変わる。でも、人を思う気持ちは変えずにいられる。
そんなバランスを、私たちは探っていきたいですね。