結論から言うと、仕事上の理不尽に耐える能力は後天的に鍛えられます。
ただし、それは根性論でも精神論でもありません。
正確に言えば、
「理不尽に耐える人になる」のではなく、
「理不尽を処理できる人になる」 という話です。
この違いを取り違えると、人は壊れます。
理不尽耐性の正体
「理不尽に強い人」と聞くと、
我慢強い人、感情が動かない人を想像しがちですが、
実際はまったく違います。
理不尽耐性は、次の3つの能力の集合体です。
- 意味づけ能力(これは何の負荷か?)
- 切り離す能力(人格と役割を分ける)
- 回復能力(引きずらない)
才能ではなく、すべてトレーニング可能なスキルです。
トレーニング①:意味づけ能力を鍛える
人が一番ダメージを受けるのは、
「意味が分からない負荷」 に直面したときです。
理不尽な出来事が起きたら、
頭の中で必ず次の3択に分類します。
- ① 相手の未熟さ・感情の問題
- ② 構造や仕組みの欠陥
- ③ 自分の判断ミス
ポイントは、
「自分が悪い」か「世界が悪い」
という二択にしないこと。
分類できた瞬間、
感情の温度は一段下がります。
トレーニング②:人格と役割を切り離す
理不尽に強い人は、
無意識にこう考えています。
これは“自分”への攻撃ではなく、
“今の役割”に向けられたものだ
社長、院長、責任者。
立場が上がるほど、
弾は人格ではなく役割に飛んできます。
心の中で一言足すだけでいい。
- ✕「自分が否定された」
- ◯「責任者として受けた」
これだけでダメージは半減します。
トレーニング③:小さな理不尽に計画的に当たる
いきなり大きな理不尽に耐えようとするのは危険です。
筋トレと同じで、
軽め → 回復 → 少し重く が原則。
たとえば、
- あえて面倒な交渉を引き受ける
- すぐに解決しない案件を抱えたまま一晩寝る
- 不完全な状態でGOサインを出す
重要なのは、
逃げないけど、長居しないこと。
鍛えられるのは耐久力ではなく、
処理スピードです。
トレーニング④:回復を技術にする
理不尽耐性が高い人ほど、
実は回復が異常にうまい。
回復は気合ではなく、技術です。
- 愚痴は出す時間を決める
- 寝る前に考えない(紙に書き出す)
- 先に身体を戻す(風呂・歩行・呼吸)
精神より先に身体を戻す。
これは医療的にも正解です。
やってはいけない鍛え方
以下はすべて逆効果です。
- ひたすら我慢する
- 理不尽を正当化し続ける
- 「自分が耐えればいい」を美徳にする
これは耐性ではなく、
感覚の鈍麻。
壊れる人ほど、
「強くなろう」としてしまいます。
おわりに
理不尽耐性は、
才能でも、性格でもありません。
設計と反復で上がるスキルです。
そして本当に強い人は、
理不尽に耐えていません。
処理して、次に進んでいるだけ。
この考え方を持てるようになると、
仕事の景色はかなり変わります。





